日本空手道不動会 会長 江口昌裕
私は今年、2ヶ月半ほど入院をした病院でこんな経験をしました。
【 お じ さ ん 】
1日の始まりは爽やかな小鳥の囀り…ではなく、毎朝病棟を掃除してくれるおじさんの『ボヤキ』でした...(^_^;)
「汚いな〜」
「疲れた」
「◎△$♪×¥●&%#?!」
さらには、しかめ面で舌打ちやため息を連発するおじさん。
周りの患者さんに聞いてみても私と同様、そのボヤキが気になって仕方がないという声が多かったので、
「ここには体を悪くされている患者さんが入院しているんだぞ!
その人たちが毎日朝から人のボヤキ・舌打ち・ため息を聞かされていたら治るものも治らなくなるだろうが!!」
と、一言いってやろう!と思いました。
でも、それでは私の自尊心を満たすだけ。
注意の本当の目的である《相手を向上させる》ことには繋がらない。
大変な仕事を毎日続けて疲れているおじさんの《自尊心を満たして元気にしてあげよう》。
そうすればボヤキはなくなるに違いない!と考えを改め、その日から私は、
「○○さん、おはようございます!いつもありがとうございます!」
「○○さんは手際がいいですね!すごいですねー!」
「○○さんが綺麗にしてくれるおかげで毎日気持ちがいいです!」・・・などなど
感謝の言葉・褒め言葉を退院するまで送り続けました。
その結果!なんと!!
ボヤキはなくなりませんでした...(^_^;)笑
それでも私の前では、感じよく対応してくれるようになったと思います。
なにより毎日感謝の言葉・褒め言葉を送った自分の方が気分よかったです。
今思うとそのお陰で回復したのかもしれません!!
感謝すること・褒めることはもちろん大事ですが、それ以上に自分の表情・発する言葉には責任を持たなければいないということをこの経験から感じました。
掃除のおじさんは誰かに向けてしかめ面をしてボヤいてたわけではありません。
でも、周りの人はとても嫌な思いをしました。
それだけ自分の表情・発する言葉は周りに影響を与えるということなのです。
それに気づかせてくれたおじさんには逆に感謝です。
みなさんはいつもどんな表情をしていますか?
表情というのは、たとえ顔の見えない電話やメールでも声や文字に乗って相手に伝わると聞いたことがあります。
いい表情を心がけたいですね。
みなさんはいつもどんな言葉を発していますか?
自分が発した言葉を一番近くで聞くのは自分です。心は言葉に引きずられます。
ポジティブな言葉を使えば心もポジティブになる。そうすればまたポジティブな言葉が出てどんどん元気になる。
いい言葉を発したいですね。
最後に
みなさんはどんな表情と言葉を発して練習に取り組み大会に臨みますか?
笑顔やポジティブな言葉を使うと身体がリラックスして運動パフォーマンスを上げると科学的にも証明されているみたいですよ!
最後の最後に
宗家よりいただいた今大会のテーマ、
『技を磨け』・『タガタメニタタカウ』・・・を『表情と言葉を磨け』・『誰のために顔と口がある?』に置き換えてみました。
表情と言葉に責任を持てる人はいい結果が待っているかも!