日本空手道不動会

【会長御挨拶】2022SF空手道 級位者全国大会開催にあたって 2022/06/10 up

【級位者全国大会によせて】

日本空手道不動会 会長 江口昌裕

初開催となる級位者全国大会に、これだけ多くの選手が参加されるということは、出場する皆さんの空手道に対する熱意の現れと、コロナ禍で消極的になっていた世の中が少しずつ元に戻り始めている証だと大変嬉しく思います。
そして、どんな状況であっても、めげることなく日々道場に立ち続ける館長方の頑張りのお陰でもあり、心から敬意を表します!
 
さて、大会は勝ち負けだけではなく、沢山の人との出会いによって大きく成長できる場でもあります。
最近、高校生の子からこんな悩みを打ち明けられました。
 
「クラスの子や先生が嫌いだから学校行きたくない。誰とも会いたくない」というのです。
楽しい学校のはずが、そんな思いになるなんて本当にかわいそうなことです。
よく聞いてみると、イジメられているわけではないようですが、周りと気が合わなかったり、好きではない人がいるから、会うのが嫌だな、鬱陶しいなと思っているようでした。
そこで、私も人から教えてもらったこんな話を聞かせました。
 
【無 人 島】
 
私:「じゃーさ、もう誰にも会わなくていいように無人島へ行こう!そこならだ〜れもいないから自由気まま!」
 
高校生:「そんなところありますか?」
 
私:「探せば絶対にあるよ。あ! でも困ることがある。」
 
高校生:「つまらなくなる?ですか。病気をした時?ですか。」
 
私:「それもそうだけど、とても大事なこと…。それは、『自分がどんな人間か分からなくなる』ということ」
 
高校生:「・・・・?」
 
私:「人は、他の人と接したり一緒に生活したりして、その人の違いや似ているところを見つけて、自分がどんな人間かを知るんだよ。あるいは、人から、キミって優しいね。とか、キミは短気だね。などと言われて、そうなのかなって思うでしょう?でも、自分独りしかいなかったら、そういうことがない。自分の長所も短所も分からないから伸ばしようも直しようもないよね。つまり、成長できないんだ。そう思うと、好きな友達だけではなく、嫌いな人だって自分が自分のことを分かるためには必要な存在なんだよ。」
 
高校生「では、どうしたらいいですか?」
 
私:「それはね。まず、どうしてあの人のことをこんなに嫌いなんだろう?あの人のどういったところが嫌いなんだろう?と自問してみるといいよ。そうすると、自分がどんなことを大切にしているか。とか、自分にもそういう面があるから見たくないのか。など、自分自身のことを知る機会になるから。嫌いな人を急に好きにはなれないだろうけど、こうした目で見ると、ちょっと気持ちも変わってくるかもしれないね。そして何より、自分の成長につながると思うよ」
 
と、その子に伝えました。
理解してくれたかどうかは分かりませんが、今も頑張って学校に通っているようです。
 
人は鏡。鏡とは「自分の姿を教えてくれるもの」と捉えると、嫌な人だって自分へのメッセージとしてそこにいてくれると考えることができます。感情的にはなかなか認めにくいでしょうが、ただ嫌がっているのも、ただ非難しているのもエネルギーの無駄です。
「気の合わない人」「苦手な人」と出会ったら成長の機会だと思う、そんな冷静な視点を持つことも大事かもしれませんね。
そう考えると、道場に通うだけじゃなく、大会に参加するって超最高な成長の機会ですね♪
 
選手の皆さん、保護者の皆さん、審判員の皆さん、大会当日はうんと楽しんで、うんと成長しましょうね^_^