日本空手道不動会

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「館長ゴロク」を読んで

竜神支部 小学五年 伊藤文哉(いとう ふみや)


 ぼくは五才から姉といっしょに空手を習っています。その姉が先月黒帯になって、ぼくの館長から一冊の本をプレゼントされました。


ぼくが「いいなぁ」と言うと、姉が「この本には良いことがいっぱい書いてあるから読んでみりん」とぼくにその本を見せてくれました。『館長ゴロク』という本の表紙には、なんだか見たことのある顔の人が空手をしている絵がついていました。ぼくが「これはだれだろう?」と思っていると、お母さんが「この本は文哉の館長のお父さんの事をかいた本だよ」と教えてくれました。『どうりでどっかで見たことのある顔だ』となっとくしました。そしてぼくはその本を読んでみることにしました。

 読んでいくとその本には、いつもぼくの館長が最後に言う話と同じ話がいくつものっていました。その中で一番心に残った言葉は、『天国言葉と地ごく言葉』です。

「お前、ダメだな。下手くそだな。」と、人をいやな気分にさせるのが『地ごく言葉』で、「お前すごいな」と、ほめて、みとめて、人を良い気分にさせるのが『天国言葉』です。

例えば、だれかが地ごくことばをかけると世界にいやな気分の人間が増える。つまりこれが『地ごく人間』。

そして、その『地ごく人間』は、いやな事しか言えなくなるから、また『地ごく言葉』を別の人にかけてしまって、どんどん『地ごく人間』を増やす。逆に『天国言葉』を使うと、世界に良い気分の人間が増える。これが『天国人間』。

そしてこの『天国人間』は天国言葉を使うから、どんどん『天国人間』を増やしていく。そういう話でした。

 ぼくはこの話をぼくの館長からも聞いたことがありました。ぼくの館長はいつも「文哉、いいぞ!いいパンチだ!!」とぼくをほめてくれます。そうするとぼくはすごくいい気分になって、すごく力が入ります。でも、たまにお父さんがぼくの空手を見にきたときに「文哉、なんだ!あのけりは!まだまだだな。」と言われると、「空手をやっていないお父さんになんでそんなことを言われるんだ。」と、ちょっとムカっとします。ぼくはこれが『天国言葉と地ごく言葉』だと思いました。だからぼくはこれから『天国言葉』を使うようにして『地ごく言葉』をできるだけ使わないように、言葉をしっかり選んで話をしようと思います。

 もし、ぼくのまわりでいやな事があった時とか、ぼくのまわりに『地ごく人間』がいた時には、その人たちを『天国人間』にしてあげるために、ぼくは『天国言葉』をたくさんたくさん使っていこうと思います。